第8章 嫉妬と愛情
「おはよぉ。」
「お、おはよ!////」
あー、僕の彼氏は今日も顔がいい。
少し眠そう。
急いで家を出てきたのか寝癖が付いている。
ただでさえくせっ毛なのにもっと跳ねちゃってる。
そこがまた可愛い。
「寝坊したの?髪すごいよ。」
「うーん、ちょっと昨日寝れなくて。」
「別に毎日家まで来なくていいのに。逆方向だから余計に早く起きなきゃでしょ。」
「だって、朝1番に綾斗の声聞きたいじゃん。それに、綾斗に会えるなら全然平気。」
「そ、そう////」
そうは言うものの、やっぱり眠たいのには変わりないのだろう。
電車の中は僕の肩に寄りかかって爆睡してた。
僕はずっと顔が熱くて耐えられなかった。
持ってきたお菓子、崩れてないといいけど。
僕は朝一番に渡すはずだったお菓子を片手に柊を肩で支えた。
学校だと周りの目が気になるから帰りに渡そうかな。
「ひ、柊くん!これ!////」
「うん、ありがとう。」
学校に着くと女子が早速チョコを渡していた。
てか・・・これで何人目・・・
まだ朝なのに両手いっぱいじゃん。
てか・・・笑顔で受け取るのどうなの。
そもそも恋人横にいて普通受け取る?
「・・・すごい量だね・・・」
「うん・・・みんな凄いね。」
罪悪感なしですか、そうですか。
柊が両手いっぱいだったため、代わりに下駄箱を開けてあげた。
その瞬間、中からは大量の小包が雪崩を起こして出てきた。
「わぁ・・・どうしよ、これ。」
柊は困った顔をしてこっちを見ている。
「知らない。自分で決めなよ。」
つい、イラッとしてしまう。
僕は困っている柊をその場に残し1人で教室に向かった。
「あ、綾斗?!ちょっ・・・待って!」
柊は何も悪くない。
分かってる・・・
でも今は見たくない。
一緒に居たくない。
「先に行ってる。誰かに手伝ってもらいなよ。僕は用事があって急いでるから。」
「え・・・」