第1章 出会い
休みの日はあっという間に終わり、月曜。
また憂鬱な学校が始まる。
まぁ、新曲聴けたし、本も面白いし。
息抜き出来た。
あとは、彼を見れたら完璧。
今日こそは朝から見れるよね。
「まもなく1番乗り場に───」
え?
また?
何処にもいない。
でもこの前は夕方に見かけた。
体調崩した訳でも無さそうだったけど・・・
不登校?
だとしたら何があったんだろう・・・
僕は彼が居ないことに疑問を持ったまま電車に乗り込む。
・・・また朝から見れなかった・・・
この先も会うこと無いのかな?
気持ちは沈んだまま、学校に向かう。
「はぁ・・・」
思わず溜息が出る。
教室に入り、自分の机に座る。
ふと隣を見ると、いつもは無いはずの机が置いてあった。
なにこれ・・・
席間違えた?
いや、でも見る感じ席替えもしてないし、この外が見える位置は間違えてないはず。
「全員席着けー。」
今日は珍しく担任が早い。
遅れてくることが多いのに。
「今日は転入生が来てる。紹介する。」
転入生・・・
げ・・・もしかしてこの机って・・・
最悪。
折角1人だったのに。
僕は先生の話を無視して外を眺める。
僕には関係ない。
変に関わりたくない。
「入れ。」
ガラっと扉が開き、コツコツと足音が鳴る。
「初めまして。今日からこの学校に転入して来ました。柊 真織です。よろしくお願いします。」
ひいらぎ・・・まお・・・
女みたいな名前。
「じゃあ、あの空いてる席に座れ。」
「はい。」
来た来た。
絶対無視。
「よろしく。」
「・・・。」
「ねぇ。」
「・・・」
何この無駄にいい声。
「・・・ふぅ。」
耳に息を吹きかけられる。
「ひゃぁ!?////」
「やっと反応してくれた。」
「なっ!・・・っ!?////」
そこに座って居たのは、毎朝駅で見かけていた彼だった。