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海で生まれた物語 【ONE PIECE】

第2章 廃れた島





190cmを超える長身で、捲くった袖や首元には黒く彫られたタトゥー。手の指にまでDEATHという文字が彫られている。

整った顔立ちをしているが、切れ長の目の下にはいつも消えないくま。妖刀「鬼哭」を肩にかけ、飄々とした顔で海を見つめるトラファルガー・ローは、こう見えても医者である。
また、オペオペの実の能力者でもあり、世間からは『死の外科医』と恐れられていた。


「キャプテン、島に着くまではこのまま海上で航海しますか?」


甲板の手すりに寄りかかっていたペンギンがローを振り返る。


「あぁ。ここらは海軍の船もない。船内の空気濃度を上げるのにも丁度いいだろ」


「了解っす!」





クルー全員、外の空気を満喫した後は船内に戻って自由に過ごす。
深海からの浮上時には、潜水艦特有の機器の操作などで全員が一斉に操作室に入るが、それ以外は皆それぞれ好きなことをして過ごすのだ。

船長のロー自身、自由奔放で他人から指図されることを嫌う性格なため、クルーにも船内の決まり事なんてものは、ほとんど提示していない。


シャチ、ペンギンは早速船内から釣具を取り出して、甲板に座り釣りを始めた。この二人は釣り好きで、海上に上がると必ずこうして釣り糸を海に垂らしている。

別に魚が獲れようが獲れまいが関係ないのだ。
ゆっくりすぎる時間を、駄弁りながらのんびり過ごすのが好きなのである。


「おいベポ!お前も来いよ!この辺の海水は透明度が高くてきれいだぞ〜」


「ほんとだ、魚見えるね!」


呼ばれたベポは二人の横に並んで、海を覗き込む。
確かに海水は透き通っており、とてもきれいだった。


この近辺は北の海(ノースブルー)に位置するが、西の海(サウスブルー)に近い場所にあり、比較的暖かい。

外に出ているには気持ちいい温度だった。



せっかくなら風に当たればいいものを、船長のローは一人で自室にいた。

医療器具や、医学書、薬品などが、ところ狭しと置かれてあるのはいわば彼の仕事部屋。
生活目的の部屋は、船長の特権でもう一室あるのだ。

仕事部屋とは異なり、きれいに整頓された部屋はローの几帳面な性格を伺わせる。中には大きめのベッド一つ、シンプルなクローゼット、木目調の机と椅子だけが置かれていた。



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