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気持ちいいことしませんか

第8章 復讐




頭、痛い………。
気持ち悪い。
なんだか体まで動かないみたい。
どうしたんだっけ。
なんで。
あたし。



「…………き、姫月」


「ん…………」



瞼、重い。
待ってください。
今、起きる…………。


「…………き、りゅう、くん?」



なんとか頑張って目を開けた途端に視界を覆ったのは眩しい光で。
目を細めて声の主を、探した。


「なんで…………」


言いかけて、ハッとする。

「霧生くん!!」


そうだ。
確かあたし…………。


「良かった起きた。姫月全然起きないから、薬品多かったか心配しちゃった」
「薬品………」


そうでした。
確かツンとする薬品嗅いで、それで。


「霧生くん、これはなんですか?ここは、どこですか?」
「ここ?ここはね、ウチの別荘」
「霧生くんの?」
「『だった』ところ」
「え?」


だった?


先ほどから霧生くん、果物ナイフを宙に投げたり、床にさしたり。
ずっと無表情…………。
それに………。


「差し押さえられたんだ、ここも」
「え…………」
「あいつに、あいつの父親に左遷されたらもうどこの業界でもやっていけない。それを承知であいつ、親父の会社潰したんだよ」
「…………潰………っ、した、って」
「あんたの大好きな薔さまだよ」
「嘘です!!薔さまがそんなこと…………」
「したんだよあいつは」


ナイフが思い切り床に突きつけられて。
本能的に肩が竦む。

「大事な大事なお姫さまの髪を切った、っつーくっだんねぇ理由でさぁ!!」



ビクン



違う。
霧生くん。
いつもの霧生くんじゃ、ない。



「俺さ、好きだったんだよ姫月のこと。でもまだガキだったし、どう接していいか全然わかんなくてさ」

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