第8章 復讐
ズキン
ズキン
ズキン
頭、痛…………。
なんだこれ。
頭割れそうで、吐きそう。
瞼すら重くて。
意識は痛みと共に浮上するのに。
視界が、暗い。
頭も。
足も手も。
全身重くて。
状況が全然、理解できない。
だけど。
甘い、匂い…………。
これ。
これは、知ってる。
この、甘い香り。
「………… 華?」
重い瞼を奮い起こして目を開けようと、すれば。
「あ、起きた。おはよー先生」
聞こえて来たのは良く知ったはずの声、と。
「…………っッぅ」
やけにリアルな、艶かしい、音。
「…………や、っぁああぁああ!!薔さまやだぁ…………っ」
悲痛に泣き叫ぶ。
愛しい最愛の、姫の姿。
が。
ぼんやりとする頭を一瞬にしてクリアにしてくれた。