第6章 距離
「………」
真っ赤になって。
涙を耐えて震える姿はほんとに、嗜虐心を煽られる。
『ホテル』、なんて華が口にすら出せないことも知ってる。
盗聴。
普通そんなこと黙ってされていたら不審にもなるはずだけど。
華の無知で無垢なところはほんとに可愛くて仕方ないな。
「許して欲しい?」
「………はいっ」
パァ、と顔を輝かせて顔をあげる華には。
少し警戒心が、足りないな。
僕に対しても。
男に、対しても。
「……なら、耐えて?」
「え?」
少しは世の中すべて、疑ってかかるくらいの警戒心を持たないと。
………もっとも。
疑うことを知らずに育てたのは誰でもない僕なのだけど。
おかげて僕に従順なお姫さまが出来上がったわけなのだが。
他の男に対してもこんな風に警戒心ゼロでいてもらっては困る。
特にあいつ。
霧生。
あいつ。
後で絶対、殺してやる。
「……っ、薔、さま!?」
ワンピースの裾から手を伸ばして、下着へと手をかけた。
「待って!!こんなところで何を……っ?」
「大丈夫、暗くてみえないから。それに、少し慣らすだけだよ」
下着をズラして直接華の大好きな割れ目へと手を伸ばす。
ビクッと体を強張らせるが、抵抗しようとはしていない。
「………っ」
目を閉じて、耐えるように体を震わせるだけだ。
「……」
いつもならすぐに感じて、濡れてくるのに全然濡れない。
緊張してるせい?
地下とは言っても確かにまだ明るいといえば明るい。
見られることに緊張してるのか。
「華」
顎に手をかけて唇を奪い、歯列を舐めまわす。
舌先を吸い上げ引き寄せると、深く深く、舌を絡めた。