第6章 距離
「ふ…っ、ぅう、ん」
痛い。
怖い。
……気持ちいい。
「薔さ、まぁ……っ」
だけど。
気持ち良く弾けそうになると薔さまは動きを止めて、あたしが落ち着くとまた違うところに触れてくる。
「華」
「うぇ……っ、も、……っぁあっ!やっ!!っだぁぁ」
ビクン
て、刺激を求めて反り返っても。
与えられない虚しさにまた体は脱力する。
「……っ、薔、さま。ごめんなさい……っ、も、ふたりにならな、か、らぁ。お願い……っ」
壊れる。
おかしくなる。
爆発できないまま、体の中に燻る炎は体温をぐんぐんとあげていき。
爆発するまで、もうすぐそこ。
「薔、さ……っ」
「華」
ぼやける視界にうつった薔さまは穏やかに笑って、するりと、両手首まてがほどかれて自由になった。
「イきたい?」
コクンコクンと頷けば。
「かわいい華、いい子だね」
甘く蕩けるような極上のキスをあたしへとくれながら、奥の奥まで、薔さまの指先は内壁を擦りあげた。
「━━━━━っっ」
欲しいところに与えられた大好きな人からのご褒美は。
あたしにまた違う感覚を、覚えさせるのです。