第5章 代償
嫌いに、ならない?
薔さまの言葉に、声に、口付けに。
こんなに反応してしまうなんて。
いつから華はこんなにふしだらで淫乱になってしまったのでしょうか。
こんなの絶対、薔さまに嫌われてしまう。
「薔、さま……」
「辛い?」
いけないって、思うのに。
だめだとわかっているのに。
体が切なくて。
おかしくなる。
「華、指、入れるね?」
「ぇ」
びく、と体が強張る前に。
中へと入っていく、異物感。
「ふ、………っ、ん」
「華、力抜いて。全然入らない」
この前も。
確かここに。
だけどあの時よりももっと………っ
「や、っだぁっ、薔さまぁっ」
ピリッとした、痛み、と。
苦しいくらいの圧迫感。
それはこの前よりもダイレクトに感覚として現れてくる。
「華、しー」
「………っ」
ぎゅーって、目を閉じて指先を、噛む。
「華、駄目。傷になる」
だけどそれすらも薔さまは許してはくれないのです。
「大丈夫だよ華。気持ち良くしてあげるから」
「………?」
前髪を掻き分けて、額にキスが落とされると。
薔さまが視界から、消えた。
「ぇ」
ギクリとして。
視線を落とすけど。
もうそんなの遅くて。
すでに薔さまは下着へと手をかけ、紐を簡単にほどいていく。
「薔さま、駄目です……っ」
「大丈夫、華好きでしょう?」
「………っ、ふ、っぁあんっ」
薔さまは躊躇せず、蜜を溢すその場所へと吸い付いたのです。