第8章 復讐
なんで。
なんで、こんな…………。
「…………あーあ、目真っ赤」
ペロリ、と。
霧生くんの唇が涙を舐めた。
「…………言ったろ?復讐だって。どーする?姫月が嫌ならせんせーに相手してもらうけど、まだ嫌?」
チラリと薔さまに向けられた霧生くんの視線に、ゾクリ、と全身の肌が粟立つ。
「嫌じゃない!!、です。嫌じゃ、ない、から…………」
「そ?なら自分で足開いて」
「え」
「嫌じゃないならこれ、合意だよね?なら姫月から誘ってみてよ。つまんなかったら俺、やっぱりせんせーと遊ぶからさ」
「…………っ」
そんな、の。
でも。
だって。
「…………おねがぃ、霧生、くん………」
「何?」
…………さっき、から。
視線が。
刺さる。
怖い。
冷たい視線。
低い声。
喉が張り付く。
肌が、恐怖で粟立つ。
「あ…………っ!?」
なのに。
何、これ。
からだ、ふるえ、止まんない…………。
お腹、じんじんする。
「や、っぁ…………っ」
身体を起こしてることすらままならなくて、そのままベッドへと倒れ込めば。
シーツと服で擦れた胸が、苦しくなる。
「ぁ、っあ…………っ、やだ」
苦しい。
気持ち悪い。
息、出来ない。
「姫月」
ギシ、て。
霧生くんがベッドへと腰掛けて、うずくまるあたしの顎を、捉えた。
「苦しいの?」
「…………きりゅ、く…………っ」
「楽にしてあげよーか?」
にこりと笑う笑顔は、あたしのよく知ってる霧生くんで。
縋るようにこくん、て。
頷くけど。
「ならほら、足、開いて自分で持ってて」
また、冷たい目。
蔑むような、凍てつく視線。
怖い。
「舐められるの好きだったよな姫月。せんせーには自分から足開いて舐めさせてたじゃん。できねーの?」
「…………っん」
す、て。
霧生くんの手のひらが太腿を掠めて。
それだけで身体が大袈裟に反応する。