第9章 My FEELING I want to fulfill
そんな第一印象はあながち間違いでもなかった。
並外れた才能を持ち、誰よりも優秀で、誰よりも自尊心が高く、誰とも馴染もうとしない。
孤高の天才科学者は天才故に変人と揶揄され、天才故に孤独だった。
自ら遠ざけているのかもしれない。
…いつからだろう。
素敵だと憧憬を抱いていたあの背中が、寂しそうに見えたのはーー…
でも、私が励まそうとしたらきっとあなたは怒るでしょう。
お前如きに何がわかる、と。
私がそばにいても、きっと何の役にも立たないことは一番私が知っている。
でも、私にだって意地がある。
あなたが困った時、ほんの少しだけ…助けになれるくらいにはなりたい。
あの十二の背中に追いつきたい。
…その思いが、好きに変わる時が来るなんて思ってなかった。
クオンの話をしてるのに、なぜかあなたの挙動が気になり始めた頃から、私はあんな約束なんてしなきゃ良かったと後悔した。
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