第9章 My FEELING I want to fulfill
私はクオンの義魂作製のために、あなたの研究室でクオンの話をしている。
なのに、目の前のあなたの挙動ばかり気になっている。
あなたの指は次に空中で何を描くのか。
あなたの唇は次にどんな言葉を紡ぐのか。
あなたの視線は次にどこへ向かうのか。
あなたの瞳は次にーー…
あなたの瞳に、私だけを写して…。
その願望に初めて気付いた瞬間、もう私は感情を抑えられない程にあなただけに夢中になっていた。
誰にも頼らず前に進まんとし、誰も寄せ付けない畏怖を抱かせるような…護廷十三隊の隊長としてはあまりに異彩を放っていた。
隊首羽織を靡かせ、自分は誰よりも有能で賢いと自負しながら、他者を凡人だと容赦なく切り捨てる眼差し、その不思議な様相から醸し出す妖しげな雰囲気、不敵に口角の吊り上がった笑みをーー…
私は不覚にもかっこいいと思ってしまった。
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