第7章 LOVEsickness
「実は撮影前に4人の隊長から羽織を貸して頂いてたんです。京楽隊長、浮竹隊長、朽木隊長…そしてーー…」
胸がドキドキして、口に出すのが恥ずかしい。
私は火照った微笑みをマユリ様に向けた。
「涅隊長…」
ふと目と目が合う。
「そ、その内のどなたかです」
私は思わずマユリ様から視線を逸らし、耳に髪をかける。
「つまり、4人の内3人はダミーで1人だけ本命ってわけだね?」
「はい。1人だけに借りたらすぐにバレちゃいますから…」
京楽隊長は「なるほどねぇ〜」と感心したように頷いていた。
「まぁ浮竹は寛大だし押し切られたら貸しちゃいそうだけど、六番隊隊長の朽木くんはよく貸してくれたね?」
「お察しの通り、結構大変だったんですけど、たまたま朽木隊長が描いたワカメ大使という落書きを見つけまして、それを褒めたら見所があると仰って割とすんなり…」
「ははは!リコちゃんに褒められちゃあ貸さない訳にはいかないか〜」
「そんなことないです!朽木隊長がお優しい方だからですよ」
京楽隊長の朗らかな笑みに、私もつられて心穏やかになる。
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