第7章 LOVEsickness
ニコは再び机の上に雑誌を広げ、リコの着ている羽織に指差した。
「この白い羽織…」
「どれ?…あ!」
リンはニコが指差した羽織を見て驚く。
「「隊首羽織…」」
リンとニコは口を揃えて呟く。
リコが持って見せている羽織は、確かに隊首羽織だった。
しかし、袖の有無、羽裏の色、背中の隊の数字はわからないよう、赤い着物でうまく隠してある。
横からこっそり見ていた阿近もそれに気付き、ハッとしてぽつりと呟く。
「まさかあいつーー…」
「貸したまえ」
ニコが取り返した雑誌は、いつのまにか現れたマユリが手にしていた。
「あ!隊長ずるいっす…。先約は俺です…」
阿近が頭をかきながら呆れた顔を浮かべると、すかさずニコがツッコミを入れる。
「そんな約束してないですよ!まだ私たちだって読み終わってないんだから!」
「そうだそうだ!!」
いつもは気弱なリンも今日はニコに加勢する。
「うるさいヨ!下っ端の分際でピーピー喚くんじゃないヨ!後でちゃんと返してやるヨ。しばらく借りるからネ」
マユリは自分勝手な言い分を放ったかと思うと、スタスタと局長室へとその場を後にした………
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