第6章 To HEARTS
「技術開発局は裏方の仕事だ。有り難がられることなんて、そうそうないのが現実だヨ。だが、お前はほとんど一人の力で局の役割と技術力の高さを他隊に知らしめ、凡人どもから莫大な見返りを巻き上げることに成功した訳だ。もっと胸を張りたまえ」
そ、そうなのかもしれないけど…なんだかその言い方だと悪いことした気分…。
でも、褒めてくれたんだよね…?
頑張って良かった…。
嬉しくて涙が出そうになる。
「頑張ったお前に褒美を取らせようじゃないか」
「褒美…ですか?」
私は少し考えを巡らす。
ご褒美、欲しいもの…。
欲しいものはないけどーー…
「…隊長に叶えて欲しいことならあります」
「ほう。奇天烈なことじゃなければ叶えてやろうじゃないかネ」
私は思わず隊長から視線を逸らし、頬を染めた。
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