第6章 To HEARTS
「お前は本当に使えないヨ、まったく」
「申し訳ありません、マユリ様」
横目で嫌味を言う隊長に、副隊長が頭を下げている。
あんな風に言わなくたっていいのに。
「それじゃ、私は早速こいつを解剖しようかネェ…。ネム、お前はここでの仕分け作業に戻っていいヨ」
「マユリ様、解剖の手配は…」
「私がいいと言ってるのが聞こえなかったのかネ?」
「いえ。申し訳ありません、マユリ様」
副隊長は一礼して、また鵯州さんたちの方へ戻って再び作業を始めた。
「…と、その前に」
隊長の顔が私の方に向いたかと思うと、一歩一歩私の方に近付いてくる。
わ、私!?
な、なんかしちゃったかな…。
「英リコ」
「は、はい…」
何を言われるのかとビクビクしながら涅隊長を見上げる。
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