第5章 From CONFLICTS
「これって…」
隊首羽織…。
じゃあ、これ…涅隊長が?
「ん?」
そして、私の顔が隣にあったであろうデスクの上には、大量の資料とメモが置いてある。
山の一番上の紙を手に取って確認すると、そこには私が必要としている情報の部分に付箋が貼られていた。
この付箋の綺麗だけど独特な字ーー…
「涅隊長の字…」
顔を綻ばせながら文字を撫でる。
隊長、お忙しいのに私のことに気を回してくれて…。
こんなことされたら…やっぱり勘違いしちゃいますよ…。
そして、メモにはーー…
「『風邪を引かないように』…か」
私の中で、あなたがどんどん大きな存在になっていくのが怖い。
そうなっていけばいくほどに、どんどん私の決意が揺らぐ…。
あなたとの約束を後悔し始めてしまう。
私は涅隊長の羽織をぎゅっと抱きしめる。
いろんな薬品のにおいが涅隊長がそばにいるように錯覚させる。
こんな気持ちになるの初めてだから…どうしたら良いのか全然わかんない。
わかんないけど…この羽織を抱きしめていると、涙が出そうになる。
「隊長…っ」
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