第5章 From CONFLICTS
すると、すぐに後ろから肩を叩かれて振り向くと、おでこに小さい角を生やした目付きの悪い顔がひょこっと現れ、一瞬驚く。
「あ!阿近さんでしたか」
「よう、リコ」
「お疲れ様です」
「おう。お疲れ」
阿近さんは私の隣に来て歩き出す。
阿近さんから少しだけタバコのにおいがする。
さっきまで外で休憩でもしてたのかな。
局の中では火気厳禁だから仕方ないけどね。
「あんま気にすんなよ」
不意に阿近さんが小さく言う。
「気にするなって…何がです?」
「何がってお前なぁ。さっきの隊長が言ってたことだよ。お前を気にかけたわけじゃないってやつ」
き、聞かれてたんだ…。
「何で聞いてんだって顔してんな?」
「えっ!?いやぁ、そんなことないです…」
「聞いてたというか…薬品庫に俺も用があったんでな」
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