第5章 From CONFLICTS
「どうかしました?」
「いや、何でもない。少し顔色が良くないと思っただけだヨ」
そう、なのかな?
今まで誰にも言われなかった。
確かに、他隊から頂けたご依頼に少しでも早く応えられるようにと、普段の仕事の合間を縫い、技術開発局で毎日残業してろくに隊舎にも帰ってない。
だから、寝不足なのはそうなんだけど、特に言われないから顔に出るほどじゃないと思ってた…。
左胸の鼓動が速くなる。
…つまり、隊長は誰よりも私のことを見ていてくれたんだ。
私は緩んでしまう頬を抑えられないまま隊長を見上げた。
「…何かネ?」
「隊長が気にかけてくださったのが嬉しくて…」
「別に気にかけた訳ではないのだがネ。私はその奥にある薬品が欲しいのだヨ」
「えっ!?あ、あぁ…」
そ、そうだよね…。
思い違いも甚だしいか。
「すみません…。瓶、取ってくださってありがとうございました。仕事に戻ります。失礼します」
私は小瓶を抱え、隊長に一礼して廊下へ出た。
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