第3章 For My PRECIOUS YOU
「私の希望は十二番隊です!」
涅隊長がまた口角を吊り上げて不敵に笑う。
「なッ!?」
「チッ」
砕蜂隊長は驚いて目を丸くしていて、更木隊長は苦々しそうに舌打ちしていた。
「理由を聞かせよ」
「ずっと前から決めていました。十二番隊に入るためにたくさん勉強して、瀞霊廷のため、他の誰でもない涅隊長のため、私はこの身を全て捧げる覚悟があります」
「フフ。良い心がけじゃないかネ」
満足げに笑う涅隊長と私は視線を交錯させ、あの日の約束を確認し合う。
「首席なのに自ら十二番隊に志願する奴なんか聞いたことねぇよ!!」
そんな私に、大前田副隊長の驚嘆の声が浴びせられた。
だって、約束したから…。
私の大切な人と…もう一度会うために。
「あーぁ。つまんねぇ。俺は帰らせてもらうぜ」
「この私に英リコを横取りされたことがそんなに悔しいのかネ?」
「アァン?何言ってんだテメー」
更木隊長が部屋を出ようとすると、すれ違いざまに涅隊長がしてやったり顔で挑発した。
_