第3章 For My PRECIOUS YOU
「やはり総隊長殿のいらっしゃる一番隊か?一番隊入隊はそれだけで名誉なことだ。首席なのだからその希望は当然だ」
普通なら砕蜂隊長の言う通り…。
一番隊に入ることを夢見ている学生も少なくない。
でも、私は一番隊に入るために頑張ってきた訳じゃない。
「いえ…。違います」
私の返答に、総隊長以外の全員がどよめいた。
すると、更木隊長が舌打ちをしてぶっきらぼうに私に尋ねた。
「じゃあどこの隊に行きてぇんだよ?テメーは」
「わ、私はあの方ところへ…」
隊長…私はあなたを信じてここまでーー…
「おや、もう始まっていたのかネ」
その声にハッとして振り返る。
「隊長…」
姿を確認した瞬間に思わず声と安堵の笑みがこぼれた。
観音開きの大きなドアの前に立ち、あの日約束した時と同じ格好をした…私の待ち望んだ"あなた"が副隊長を連れ、ニッと笑っていた。
「良かった…涅隊長…っ」
約束…覚えていてくださってたんだ。
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