第3章 For My PRECIOUS YOU
首席になる以外にも、別のところで自分がいかに優秀な人材であるかをアピールすれば、この会議が開かれる可能性は大いにある。
が…仮にその素質が見初められたとしても、隊によって毛色が違うから自分に合った隊の方々に見て頂かないと、希望が出るなんてことはまずない。
隊長同士の関係も希薄らしいから、「君の隊に良さそうな子いたよ〜」なんて世間話しないでしょ。
だから、ここで首席になるのが一番手っ取り早い。
一番の近道なのだから。
そのために首席になった。
私の希望する隊の隊長がここにいて、私がその隊を希望すると言えば、まず外されることはないから。
それが理由。
私はあの隊に入るため、あまり得意じゃないけど座学だって嫌という程勉強した。
入ってから役立つような学問をたくさん学んだ。
だからーー…
ここに"あなた"がいない理由がわからない。
「して、どちらの隊への入隊を希望するか?」
「申し訳ありません。私に希望はありません」
総隊長の問いに、私は頭を下げたままはっきり言った。
まだ…"あなた"がいないことに動揺してる。
あの約束…忘れられてしまったのかな。
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