第3章 For My PRECIOUS YOU
普通は入隊を許可された場合、能力と資質から各隊に振り分けられるが、隊長から自分の隊に入隊させたいと希望が出ることがある。
その中で更に、隊長の希望がぶつかることが極稀にある。
その場合、本人の意思と総隊長の判断に委ねられ、入隊先が決定する。
「私のような者が…。光栄です」
ここに呼ばれた理由を誰に教えられた訳ではないけど、私は最初からこうなることを知っていた。
知ってはいたけど… まさかそれが今ってこと…!?
「謙遜するな。お前は首席なのだ。次期席官候補と言ってもいい」
砕蜂隊長は腕を組みながら少し口角を上げた。
私は席官になるつもりはない。
私が首席になったのには別の理由がある。
とは言え、努力して首席の座を勝ち取った。
首席になれば、嫌でも目につく。
ただでさえ多忙な隊長格や上位席官の方々がいちいち末端の死神程度にしかならない学院の生徒の見学に足繁く来るはずがない。
つまり、アピールできる場所はとてもとても限られてる。
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