第18章 FIND your back
「何にせよ良かったっすね、英が無事で」
マユリ様の後ろで、阿近さんが安堵の溜息混じりに笑う声が聞こえる。
「阿近、仕事に戻りたまえ。例の爆薬の件は任せたヨ」
「わかってますよ、隊長。責任持って処分しときます」
阿近さんはそう言うと、ゆっくりと足音が遠くに去って行く。
同時に、阿近さんの言葉が気になった。
「爆薬の処分…?」
思わずそれが口をついて出てしまう。
「お前が飲んだアレだヨ。破棄することにした」
「え…?」
涙目のままマユリ様を見上げると、マユリ様は私を見下ろしながら仕方なさそうにフッと鼻を鳴らした。
「それよりいつまでそうやってるつもりかネ?」
私はマユリ様にくっついていたことにハッとしてすぐに一歩下がる。
「あ…す、すみません…」
私はそう言って泣いて赤くなった目に溜まった涙を拭う。
「隊長のご健在を確認して安心しました。隊舎に戻りますね…」
私は一礼して踵を返す。
_