第18章 FIND your back
私はなりふり構わず駆け出した。
「お前…!」
マユリ様がそう言葉を発した瞬間ーー…
「マユリ様…っ」
私が跳び上がって抱きつくと、マユリ様の体が衝撃で少し仰け反る。
でも、ちゃんと私を受け止めてくれる…。
その感触が…あの日助けられた日に抱きしめてくださった時とよく似ていて…。
「マユリ様…っ、ご無事で良かった…」
言いたかったこと、言わなきゃいけないこと、全部どこかに行ってしまう。
あなたがこうして目の前にいて…腕も本当に何ともなくて…。
ただただホッとする。
「マユリ様…」
すると、はぁと息をついたマユリ様は私の頭にぽんと手を乗せた。
「私を誰だと思ってるのかネ?」
あぁ…。
いつものマユリ様だ…。
そう思うと溢れそうになる涙を、私は唇を噛んで堪える。
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