第16章 a feeling that can't be HIDDEN
「隊長、英はあなたに認めて欲しいんですよ。そうすれば話を聞いてくれると思ってる。たとえ隊長にその気が微塵もなくとも、あいつはそう信じてます。英は知っての通り、呆れるほど素直です。言葉もそのまま素直に受け止めたんすかね」
「呆れるほど愚直な恐るべきバカ正直の間違いじゃアないのかネ?」
マユリは毒を吐いて鼻で笑った。
「それで死んだら全て台無しじゃないか」
マユリはそう呟くと、歯を食いしばりながら羽織を翻した。
「この私が直々に説教してやるヨ!断界の壁を固定しろ!地獄蝶の手配を待っている時間はないヨ!」
「は、はい!!今すぐ!」
マユリの一声に、鵯州が何人か局員を連れて走って部屋を出て行く。
「ネム!お前はここに残って状況を私に逐一報告しろ」
「はい、マユリ様。行ってらっしゃいませ」
ネムは早歩きで穿界門へと急ぐマユリの背中に一礼した。
_