第16章 a feeling that can't be HIDDEN
「カメラの位置も英なら把握しているだろうし、こんな芸当もお茶の子さいさいって感じか」
鵯州も阿近と揃って感心しながら映像を見ている。
「どいつもこいつも!私をどれほど怒らせれば気が済むんだネ!!」
マユリは激昂して叫びながら天井を仰ぐ。
「阿近さん、もしかして…」
ニコは阿近に小声で耳打ちする。
「あぁ。専らあれが原因だろうな」
阿近もふぅと息をつく。
「この私に何の断りもなく現世に行くなどとは良い度胸だヨ、英リコ!!何故あの小娘はいつもいつも勝手な行動をするんだネ!!?」
「あー…隊長?それは隊長が一番よくわかってると思ってたんすけど…」
阿近は言いにくそうに頭をかく。
マユリは目を細め、阿近を睨む。
「何だって?」
「リコが隊長に例の爆薬のことで噛み付いた時、相応の力と結果を持って来いと言ってましたよね?だからあいつは現世に行き、それを示そうとしている…」
マユリはくっと唇を噛む。
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