第16章 a feeling that can't be HIDDEN
「なッ!!?」
マユリはディスプレイに身を乗り出し、呆然と指差した部分に釘付けになる。
そこには紛れもなくリコがメノスと相対している姿が映っていた。
「あんの馬鹿!!」
マユリがそれを頭で認識した刹那、怒りが吹き出して机をバァン!とぶっ叩いた。
「ヒィ!!」
リンは目の前の机から大きな音が鳴ったと同時に、肩をビクッとさせて固まる。
「何で現世なんかにいるんだ!許可した覚えはないヨ!!穿界門の監視はしていたんだろうネ!?」
キィキィと金切り声を上げるマユリに、リンは涙目になりながら弁解する。
「も、もちろんですよぉ…!いつもなら見逃すはずは…」
「現に見逃してるじゃないか!エ!?」
マユリは大画面に映るリコを指差して怒鳴り散らす。
「何故よりにもよってあいつを見逃すんだヨ!!」
「すみませんすみません!!」
リンがぺこぺことマユリに頭を下げている一方、鵯州と阿近は別のコンピュータから監視カメラのデータを閲覧していた。
「あ〜…十一番隊に紛れて行ったみたいだな。あいつ、隠れんのうまいなぁ」
阿近は呑気にカメラの映像を巻き戻したり早送りしたりしている。
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