第15章 ENCOURAGE by alcohol
「隊長のこと、尊敬してるんです。新しいことを次から次へと見つけて、緊急時でも冷静にありとあらゆる対策を講じて、その上で未来を予見し、いつも一歩も二歩も先を歩いています…」
そんな背中に追いつきたくて、ここまで頑張ってこられた。
「隊長の手の届く場所に置いて守ってくださるし、今回の旅禍の騒動だって、本当は隊長には私を行かせるつもりはなかったようなんですけど、私が強行したんです」
私が無理に行っていなければ…こんなことにはならなかったのかもしれない…。
「いつも薬品棚の高いとこの瓶取ってくれるし、残業中に途中で眠っちゃってたら羽織かけてくれるし、私のこと褒めて頭撫でてくれるし…」
私はお冷の入ったグラスをぎゅっと両手で握った。
「どうして…隊長があんなことするのか、未だに信じられないんです…」
すると、乱菊さんが唖然とした顔で私を凝視していた。
「あ、あたしはあんたの話が一番信じられないわ…」
「い、今のは惚気か何かかな?それとも痴話喧嘩の相談かい…?」
綾瀬川五席も苦笑いしながら首を傾げる。
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