第2章 This PROMISE will be our CURSE
なぜ死神になりたいのか。
いや、なぜ死神になりたいでもない私がこの真央霊術院にいるのか。
その本当の理由…。
思い出したくない後悔とやり直せないあの日。
背中に冷や汗が伝う。
鳥肌が立ち、今にも手が震え出しそう。
「…どうしたネ?」
「い、いえ…」
私は膝の上に置いた手で赤い袴をきゅっと握った。
「…ま、人には話したくないことの一つや二つあるからネ。無理にとは言わんヨ」
あぁ、この人…不器用なだけなのかも。
…人は見かけによらない。
この涅隊長という人は、見かけによらず優しいのかもしれない…。
ちょっとだけ。
「大丈夫です」
この人には話してみようかな。
誰にも話したことのない、あの雨の日のこと。
「いつかは向き合わなきゃいけませんから…」
クオンと同じことを、私に言ってくれたから…。
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