第14章 LOSS of hope
「隊長にとって、私たち下の者なんか取っ替えの利く代用品でしかないのかもしれません。でも、隊長ではない誰かにとっては…かけがえのない存在であることを、忘れないでください…っ」
私は死覇装の裾を思わずぎゅっと掴む。
悔しくて、悲しい。
涙がぽつりぽつりと床に落ちる。
「誰かを失う悲しみやつらさなんて…っ、わからないでしょ…?」
クオンを失ったあの日の胸の痛みがズキズキと疼く。
「失いたくないほどの大切な人がいないから、そんな非道な行いができるのよ…!そんなあなたにわかるはずないけど…っ、でもーー…」
私と約束を交わしてくれたあなたが…そんなことをする人だとは思わなかった…。
「フム。何もわかってない小娘に一つ教えておいてやる」
隊長は私の目の前に立ち、人差し指を立てた。
「何か言いたければ、それ相応の力と結果を示してから私に反論したまえ。お前程度の若輩者の馬鹿が何を言おうと、私の知ったことではないヨ」
私を見下ろす黄色の瞳が冷たい。
私なんかに聞く耳を持たないと…そう上から言われてるんだ。
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