第13章 the TRUTH
「…マユリ様が使えない下っ端隊士を…爆弾に変えて任務に使ってるって噂…」
その瞬間、甚保くんがハッとした顔で私を見た。
「任務に向かう途中で言っていた"気になること"って…このことですか?」
私は震えながら小さく頷いた。
「ごめんなさい…っ。こんなことになるかもしれないことは予想できてたのに…っ、結局あなた達をあの場に連れて行ったのは私…っ。全部、私のせいです…」
私は甚保くんに深く頭を下げた。
いつもの任務と変わりないと思っていた彼らに、何も事情を説明しなかった。
その上、ケガまで負わせてしまった。
挙句に助けてもらうなんてーー…
何やってるんだろう。
情けない。
不甲斐ない。
謝っても謝り切れない…。
「リコさん」
すると、甚保くんは壁に預けていた背中を起こし、私の前に立った。
「現場でも言いましたが、謝らないでください。あなたのせいじゃないのですから」
涙目で甚保くんを見上げると、いつも鉄仮面のごとく表情を変えない彼が小さくも優しく微笑んでいた。
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