第13章 the TRUTH
「あなた達を巻き込むつもりはなかった…」
「あなたはその可能性があることを知ってて飲んだ…。何故そんなことをしたんですか?死ぬかもしれなかったんですよ?」
「私は…マユリ様にかかった疑念が間違いだっていう確証を得たかった。だから薬を飲んだの」
「疑念?」
すると、阿近さんが使った注射器を片付け終え、再び椅子に腰を下ろした。
「噂でも聞いたか?」
「はい。偶然耳にして…」
「そうか」
阿近さんはそれだけ言ってタバコに火をつける。
「その噂というのを聞かせてください」
私はうつむけていた顔を上げ、甚保くんを見上げた。
じっと私を見る目がただの事実確認のようには思えなかった。
私はごくりと唾を飲み込む。
言いたくない。
言ったらそれを本当に認めてしまうような気がして…。
でも、部下を巻き込んで…渋舎くんが大怪我してしまったのは、全部私のせい。
私には話す義務がある。
甚保くんの目は…それを諭す目だ。
私はふぅと息をついた。
_