第13章 the TRUTH
「ん?久南、お前の持ってるそれ…」
私たちが挨拶する間もなく、阿近さんはニコちゃんに手渡した小瓶を見つめている。
「私がさっきマユリ様から受け取ったんです。それを打たないとたぶん…そのーー…」
私は言葉にしたくなくて思わず口ごもる。
すると、阿近さんは一つ大きなため息をついた。
「なんとなく状況は理解した。久南、お前は持ち場に戻れ」
「え?」
ニコちゃんは驚いて阿近さんを見ている。
すると、阿近さんはニコちゃんから私の方へまっすぐ視線を移した。
「お前は俺に聞きたいことあんだろ?」
「…はい」
口ぶりからして、阿近さんがこのことについて色々知っているはず。
だったら…私は知りたい。
何で、マユリ様がこんなことをしたのかーー…
「とりあえず、それ打とうか。甚保、お前も飲んだんだろ?一緒に来い」
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