第13章 the TRUTH
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局に着くと、やっぱりみんなてんやわんや。
そりゃそうだよね…。
旅禍の侵入でその居場所をいち早く特定できるのはここだもん。
「あれ?おかえり」
すると、ニコちゃんが私に気付いて駆け寄って来る。
「お疲れ様です、久南さん」
甚保くんはピシッと斜め45度の一礼を決め、ニコちゃんに挨拶した。
「お疲れ様。リコちゃん、任務終わったの?」
「うん…。一応ね。ところで、注射器って2本すぐに使える?」
「え?う、うん。医務室に常備してあるから、そこなら使えると思うけど…何に使うの?」
ニコちゃんは不思議そうに首を傾げる。
「これを打たなきゃいけないの」
私は袂から小瓶を出し、ニコちゃんに渡した。
ニコちゃんは小瓶の中で揺れるピンクの液体を見て、何だろうと首をひねっている。
「た、隊長から受け取ったものだから大丈夫だって…!」
「隊長から?」
「そうそう!」
私は大きく頷き、ははは…と苦笑いに似た歪な作り笑いで誤魔化す。
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