第13章 the TRUTH
ぐっすりと気絶したように眠る渋舎くんの頭には包帯が巻かれている。
胸がぎゅっと締め付けられる。
ふと、隣の患者さんの方へと四番隊の看護師さんがやって来て、注射器などが乗ったトレーをそばの机に置いた。
「あ、いけない。忘れ物…」
その看護師さんは独り言を呟いて、トレーを置いたまま再び廊下に出て行った。
注射器ーー…
私はとっさに注射器を手に取った。
「リコさん、何を…?」
甚保くんの言葉そっちのけで、小瓶の蓋に注射の針を刺し、注射器の中を薬で満たしていく。
そして、渋舎くんの左腕を取り、太い血管を探して針を刺した。
「任務の前に飲んだあの薬の解毒剤みたいなものらしいわ。マユリ様からもらったの」
「え…?」
私は同じトレーにあったガーゼで注射を刺した箇所を押さえ、注射器を"使用済み"と書かれた箱に入れた。
甚保くんには…ちゃんと説明しなきゃいけない。
「戻ろう…技術開発局へ」
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