第12章 Break like a BOMB
「甚保くん、渋舎くん…ごめんなさい…。私のせいで…こんなーー…」
「リコさんのせいじゃありません。謝らないでください」
「でも…」
「話なら後でゆっくり聞きますから。リコさんはこのまま任務を続行してください」
甚保くんはそう言うと渋舎くんを担ぎ直し、急いで救護所へと向かって行った。
私はその背中を見つめることしかできなかった。
2人とも、ごめんね…。
私が2人をこんなことに巻き込んで、甚保くんには助けられるし、渋舎くんにケガまでさせちゃって…。
本当に、どうしてこんなことにーー…
「答える気はない!!」
切り裂くような旅禍の男の鋭い怒りの叫びが私の負の思考を停止させた。
「ほう…。滅却師(クインシー)か」
男はいつのまにか大きな弓を携え、青白く光る霊子の矢をマユリ様に向けていた。
マユリ様ーー…
信じてたのに悔しくて、あなたがそんな人だと認めざるを得なくて悲しくて、なぜそんなことするのかと怒りたくてーー…
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