第12章 Break like a BOMB
男の背後にはその背中を覆うほどの半透明の橙色の三角形の防壁。
やがてその防壁にヒビが入り、ガラスのように割れて散った。
「ほう…。これは面白い術だネェ。その盾、後ろの女の術なのかネ?」
「答える気はないね」
旅禍の男がおもむろに振り返り、マユリ様と対峙した。
「う…」
すると、隣で倒れていた渋舎くんが頭を抑えながらゆっくり起き上がる。
「渋舎くん、大丈夫?」
私は膝をついて渋舎くんの背中に手を添え、起き上がるのを手伝う。
「はい…。なんとか…」
渋舎くん、額から血がダラダラと流れてる…。
「ケガしてるじゃない…」
「僕が救護詰所まで運びます」
甚保くんはすぐさま渋舎くんの腕を自分の肩に回し、渋舎くんを支えながら立ち上がる。
「甚保さん…すんません…」
「まったくだ。だが、今は無駄口叩くな」
「はい…」
いつも元気な渋舎がぐったりしている。
こんなことになるなんてーー…
何やってるの、私…。
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