第12章 Break like a BOMB
何も考えられない。
頭が真っ白になる。
目の前で、人が…爆発した…。
爆発してしまった…。
「リコさん…?」
私はふらりと立ち上がり、黒煙と燃え盛る炎をただただ見つめることしかできない。
頭の中でぐるぐる回る。
あの噂は…本当だったの…?
思いも寄らぬところで、背中から刺されたような気分。
信じたかったものを、私は信じていただけなのにーー…
裏切られた…。
どうして…。
どうしてこんなことーー…
「旅禍を捕縛するごときで何をグズグズやっているのかネ」
後ろからあの人の声が聞こえ、ハッとして振り返る。
「マユリ様…」
「おかげで私の計画は狂いまくりだヨ…!まったく!お前がこの作戦に参加した時からだヨ!狂い出したのは!!」
いつものように副隊長を後ろに連れたマユリ様は、怒りで震えながらスイッチをバキッと踏み付ける。
「しかも、旅禍も無傷。派手な演出と爆発規模の割には大した効果は無しか」
その言葉に私も旅禍の方へ目を向けると、メガネの男の前で女の子が荒い呼吸をしながらへたり込んでいる。
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