第12章 Break like a BOMB
「何だその言い草は!」
その瞬間、班長が私たちに殴りかかりそうな勢いで食ってかかって来た。
「隊長に気に入られているか何だか知らないが、一度言い出したことを曲げるつもりはない!」
意地でも引き下がらない気か!
このままじゃ旅禍たちに余計に怪しまれーー…
「旅禍を連行するのは俺だァア!!」
そう雄叫びながら、他班の死神は一斉に私たちに向かって走って来る。
「なッ!?」
この班長…!
なんてバカなことを口走って…!!
「やっぱりそうか!井上さん!!離れて!」
ボフゥウウウウウッッ!!!
刹那、眼前に数本の火柱が上がった。
それとほぼ同時に、甚保くんが私と渋舎くんの体に飛び込むと、私の視界が激しく揺れ、気付けば地面に仰向けに倒れていた。
「2人とも、無事ですか?」
私が体を起こすと、前には珍しく冷や汗を流す甚保くんの姿。
「甚保くん…ありがとう」
「いえ…。無我夢中で…」
甚保くんが飛び込んで来なければ、あの爆発に巻き込まれていたかもしれない…。
でも…今の私はただそう言うのが精一杯だった。
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