第12章 Break like a BOMB
「あら?ここの見張りをしてくれてた前の班の方でしょ?」
「え…あ、あ、えっと…」
「そうです」
女の子がもじもじと目を泳がせていると、男の方が毅然とした態度で頷いた。
私も笑顔を崩さずにお礼を言う。
「ありがとう。交代の時間だから後は私たちが引き継ぎます。隊舎に戻ってゆっくり休んで」
「わかりました。わざわざありがとうございます。行こう」
「う、うん」
男は一礼すると、そそくさと女の子を連れて私に背を向けた。
「十二番隊の隊舎はそっちじゃないわ」
私がそう言うと、旅禍たちはビクッと肩を揺らした。
私は再度2人に背後から近寄り、笑顔を貼り付けたまま顔を覗き込む。
一瞬、男がすごく焦った顔を浮かべたのがすぐに見て取れた。
「瀞霊廷は広いから方向がわからなくなった…?」
2人から緊張の鼓動が伝わって来そう。
「新人さん。良かったら十二番隊隊舎まで送って行きますよ?」
こうなってしまえばあとは二択。
十二番隊隊舎まで連れて行く道中で気絶させるか、今ここでやり合うか…。
どちらにしろ、私の班ならやれる。
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