第12章 Break like a BOMB
すると、酔っ払いは突然旅禍の女に掴みかかった。
「十二番隊の隊章だ…」
あの死神…死覇装の裏地を確認したのか…。
ふう…。
一瞬、彼らが旅禍だと気付いて攻撃したのかと焦った…。
手を出されたら、マユリ様の被験体にキズがつくもの。
「お前ら、何者だ?」
どうやらあの酔っ払い、2人を疑ってるみたいね。
この状況で相手を安心させて私たちについて来させる方法は、ここであの死神から旅禍を守ったように見せかけること。
幸運にも、あの2人は十二番隊の死覇装で変装をしている。
同じ隊の私たちなら急に出て行って助けたとしても、「同じ隊の者を助けるのは当然」とか何とか言って誤魔化せる。
これがベスト…。
…いや、本当にそうかな?
だってーー…
ドカッ!!
突然、酔っ払いの頭上から角材が振り下ろされた。
「ふぐぅ!!?」
酔っ払いは脳天にもろに食らい、目を回してその場に倒れこんだ。
…え?
どういうこと?
あまりに唐突なことで、目を丸くしたまま思考が飛んだ。
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