第12章 Break like a BOMB
「先輩、こっちっす!」
渋舎くんに呼ばれて後をついて行き、路地裏に入る。
そこには既に甚保くんもいた。
すると、渋舎くんが通りの方を指差す。
そっと覗くと、道のど真ん中で酔っ払った男の死神が旅禍たちに絡んでいた。
全然見たことない死神だからうちの隊じゃない。
その時私はハッとした。
もしかしてこれは他隊の作戦!?
だ、出し抜かれた…!
真偽を確かめるどころか、マユリ様を失望させてしまう…!
ここまでかなり順調だったのに!
「おめぇら、こんな所で何してる?」
あの酔っ払い、瀞霊廷への侵入者だとわかっていながら何をーー…
…待てよ。
あの様子じゃ本当に酔ってる…?
だとしたら、あの2人が旅禍だと知らないんじゃ…。
じゃあ、あれは他隊の作戦じゃなくてただ偶然居合わせただけってこと?
「どうします?リコさん」
甚保くんが小声で私に指示を促す。
どうする?
ここで出て行くか…?
でも、出て行ったところでその後どうやって隊舎までついて来させる?
何をしてもかなり怪しい…。
向こうも追われている立場上、ハナから疑ってかかってくる。
怪しまれたら終わり…。
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