第11章 want to BELIEVE
マユリ様はこほんと一つ咳払いをした。
「いいかネ?お前たち。見つけても殺すな。生け捕りにしろ。面白い実験材料になるやもしれん。他の隊の連中に出し抜かれるなヨ」
「「「はッ!!」」」
「散れ」
その言葉と共に、隊士たちが散開した。
私も甚保くんと渋舎くんを連れてその場を離れた。
すると、すぐに渋舎くんが不安げな顔で口を開く。
「本当に大丈夫っすかね?隊長、めちゃくちゃ怒ってたっすけど…」
「大丈夫。気にすることないよ」
私は渋舎くんににこりと笑う。
「リコさんにしては珍しく頑なでしたが…何かお考えが?」
私は甚保くんへの返答に一瞬戸惑う。
「ちょっと気になることがあるから、無理矢理参加しようと思っただけなんだ…。巻き込んでごめんね、二人とも」
「いえ。お気になさらず」
「そうっすよ!僕らは先輩のこと信じてるんすから!」
渋舎くんの明るい笑顔に、私の心が少し穏やかになる。
信じてる、か…。
私も…マユリ様のこと信じたい。
だからーー…
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