第11章 want to BELIEVE
「それにしても、あの液体何だったんすかね?」
ふと、渋舎くんが首をひねる。
「味もにおいもわかんなかったし、言われたから飲んじゃったけど…。まさか毒なんてこと…!」
一瞬で顔面蒼白になる渋舎くんに、甚保くんは肩をすくめた。
「隊長が僕らに毒を盛って何になるんだ?治験ならあり得るが…。まぁ、それでもいつもなら効能の説明があるはずなのに、今回はなかったので不自然ではある」
甚保くんの話に、私はハッとしてしまった。
やっぱり、まさかーー…
「爆薬…」
「え?何て言ったんすか?」
「リコさん…今、ばくやーー…」
「う、ううん!気にしないで。何でもない…」
私はとっさに甚保くんの言葉を遮った。
私が爆弾になってしまえば、あの噂は本当で、マユリ様は残忍で人の心を持ち合わせてはいない。
そして、おそらく私は確固たる証拠を突きつけられても、その本性を受け入れることはできない。
だから、爆弾となってそのまま消えていける。
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