第11章 want to BELIEVE
でも、渋舎くんはハハハッ!と明るく笑った。
そして、私の制止してる腕の上から手を伸ばしてビーカーを掴んだかと思うと、その液体を一気飲みした。
「なーに言ってんすか!先輩が班長なんすからついていきますって」
「同感です」
甚保くんも渋舎くんと同じようにしてビーカーを手に取り、口をつけた。
「それに隊長がこれを飲めと仰っているんです。班長命令より隊長命令の方に従うのは当然でしょう」
甚保くんはメガネをカチリと押し上げた。
「…わかったわ」
もう飲んでしまったものは仕方ない。
二人がそう言ってくれるのはすごく嬉しい。
でも、今回ばかりはいつもと違う。
だから、二人を私の都合で振り回した挙句、もし万が一のことがあったらーー…
そんな言い知れぬ不安をよそに、他の隊士たちもみんな、副隊長のお盆に乗っているビーカーの中の得体の知れない液体を飲んでいった。
マユリ様は頭を抱え、はぁ…とため息をついている。
「まぁいい。これで人員は揃った。英リコ、これが終わったら隊首室に来給え」
「はい」
渋舎くんが心配そうに私を見ている。
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