第11章 want to BELIEVE
声を荒げるマユリ様に、渋舎くんが怯えた顔でビクつき、甚保くんが表情を強張らせ、冷や汗を流す。
それでも、私は反論しようと息を吸った瞬間ーー…
「マユリ様、お持ちしました」
マユリ様の後ろの奥ー…技術開発局の方から副隊長が少量の液体の入ったビーカーをお盆に乗せてやって来る。
液体は、毒々しい緑色をしたものと着色料満点のオレンジ色をしたものの2種類。
あのビーカー…中身ってまさかーー…
「遅い!こいつらに飲ませる分の薬を作るのにどれだけ時間をかけているのだネ!?」
「申し訳ございません」
マユリ様は苛立ってぶっきらぼうに言葉をぶつけた。
薬…?
じゃあ、やっぱりーー…
私は緑色の液体が入ったビーカーを咄嗟にひっ掴む。
「先輩!?」
「リコさん!」
後ろで二人があっと声を上げた時には、私はビーカーの中のよくわからない無味無臭の液体をゴクンと飲み干していた。
マユリ様は珍しくぽかぁんと私を見つめて唖然としている。
「これで行かせてもらえますよね…?隊長」
私がお盆にガンッとビーカーを置いた瞬間、マユリ様がプルプルと震え出す。
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