第11章 want to BELIEVE
「おーーーい!!」
私が顔を上げると、すぐに後ろから声が聞こえてきた。
振り返ると、見慣れた二人が私に駆け寄って来る。
「せんぱーい!」
班の明るい新人ー…渋舎(シブヤ)くんが明るい茶髪をふわふわさせながら私を呼ぶ。
「大変すよ、先輩!瀞霊廷に旅禍の侵入があったみたいっす!」
「え?」
すると、私の一期下でとても頼りになる後輩ー…甚保(ジンボ)くんは、表情を変えずに少し乱れた黒髪をきっちり直しつつ、メガネを中指で押し上げる。
「複数名というだけで詳細は不明。目的も定かではないようですが、既に戦闘行為も確認されています」
戦闘行為…?
一体何が?
「マユリ様…隊長は?」
「局の前で人員を集めていました。僕らがリコさんを呼びに出る時に見たので、おそらくまだそちらにいるかと」
マユリ様のことだから、きっと旅禍の捕縛に動いて被験体にしようとか考えてるはず…。
なら、十二番隊でも実働部隊に位置する私たちも廷内で索敵や戦闘に動いた方が良いけど…。
何が目的かわからない以上、技術開発局が狙われる可能性もある。
「わかった。ひとまず技術開発局に戻ろう。私たちの動きはそこで決めるわ」
「はい」
「了解っす!」
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