第11章 want to BELIEVE
瀞霊廷の見回りの最中なのに、まるで気分が乗らない。
こんなに晴れて爽やかな昼下がりなのに、空も見上げずに下を向いたまま歩く。
いつもは外の空気を吸えていろんなものを見て回れるこの時間は、私の心をリフレッシュさせるのにはもってこいの時間。
でも、私の心は憂鬱だった。
ーー…「涅隊長は十二番隊の下っ端隊士を集め、使えない者の体を爆弾に変えちまうらしい」
そんな黒い噂を耳にしたのは、昨日の見回りでのことだった。
噂をしていた十二番隊隊士たちは、怯えていた者もいれば、「そんなのただの噂だろ」と笑い飛ばす者もいた。
仮にも護廷十三隊の隊長ともあろうマユリ様がそんなことするはずないって、私も笑い飛ばしたい。
でも、学院生の時にもそんな噂を聞いたことがあった。
実際に二ヶ月前くらいに、不可思議に十二番隊隊士が爆発したという事件があったのは記憶に新しい。
マユリ様に直接真偽を確かめる勇気もない私は、ただモヤモヤと考えては頭を悩ますだけだった。
カーーーーーーン!!
カーーーーーーン!!!
カーーーン!!
突如として甲高い警鐘が瀞霊廷中に鳴り響いた。
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