第1章 2代目は継娘
「よし!地域貢献に、ゴミ拾いしよっか」
「「え?!」」
「ふっ、地域貢献にゴミ拾い!いいだろう、引き受けた!」
「じゃ、俺たちの分もよろしくー」
「任せな、ブラザー」
「僕も、やりマッスル!」
「ありがとう。じゃあ、行こっか」
「「はい!」」
○○はカラ松と十四松に、軍手とゴミ挟み、ゴミ袋を渡した。
「とりあえず、ここを中心に拾っていこう。時間は、んーと、30分で」
「はい!」
「イェッサー!」
「カラ松」
「なんすか、2代目」
「あんまり自分を演じなくて、いいよ?」
「え」
カラ松は何か言い返そうと思ったが、○○は近所の人に挨拶しながら、ゴミを拾い始めていた。
30分後
「ふー。いい運動になるね!」
「そうっすね!」
「なかなかに、いい汗かきました」
ポーズを取り、格好つける。
「うーん、根深いなぁ。あたしが勝手にそう思ってるだけなのかなぁ。とにかく、お疲れ様。ありがとうね」
「「お疲れ様っしたー!」」
2人と別れたあと、○○はクッキーを焼いて、おそ松たちの部屋に向かった。
ドアをノックしようとすると、彼らの会話が聞こえた。
「あの2代目、どう思う?」
「いきなりゴミ拾いは、ないよね」
「だよな?俺も、は?!って思ったもん」
「でも、いい運動になったよ。ね、カラ松兄さん」
「ああ、そうだな。近所の人たちにも感謝されて、心が温まったぜ」
「あーあ、またやれって言われるのかなぁ。やだなぁ」
○○はドアをノックした。
「へーい」
開けた一松は、○○に驚いた。
「あっ、あの、2代目」
部屋に入った○○は下を向いたまま、クッキーをテーブルに置くと、言った。
「確かに事務所は空に出来ないから、誰かいた方がいいよね。ごめんね、押し付けちゃったみたいで。明日からは、一人でやるね。これ焼いたんだけど、よかったら食べて。いらなかったら、捨ててくれたらいいから」
早口でそう言って、足早に部屋を出る。
「2代目!!」
カラ松が腕を掴むと、振り向いた○○は泣いていた。思わず抱きしめるカラ松。
「泣かないで下さい。2代目は、よかれと思ったんでしょ?俺は、いいことだと思います。だから、参加したんです。押し付けたとか、思ってません」