第2章 カラ松の恋
兄弟たちから祝福され、照れくさそうに頭をかく。
「あーあ。兄ちゃんより先に、幸せになりやがって」
「カラ松は○○の、どこが好きなんだ?」
「優しくて、がんばり屋で、でもちょっと弱くて、一度やるって決めたらあきらめなくて、そういうとこ全部好きだ」
「でさ、○○がお前は自分を演じてるって言ってたけど、それについてはどうよ?」
「核心をついてきたと思った。だから○○には、本当の俺をさらけ出してもいいんだと、そう思う。弱い俺を見せてもいいんだと、思わせてくれる」
「痛いカラ松は、やめるのか?」
「いや、それに関しては…………………ノープランだ」
「何で貯めたの?!いったいよねー!」
「○○は俺のこういうところも、面白いと言ってくれた。だからやめないぜ、ブラザー」
「そうなんだよなー。面白いって言うんだよなー」
「そんな風に思ったこと、なかったな」
「はい!質問です!」
「十四松くん」(国会風に)
「一緒に寝た感想を、一言!」
カラ松は思い出すように目を閉じ、己の体を抱きしめた。
「柔らかかった!おお、マイハニー!マイディスティニー!」
「クソ松がぁあああああ!!」
「おわぁああ!!」
「一人でいい想いしやがってぇええええ!!」
次の日。すっかり元気になった○○は、いつものようにカラ松と朝食を作っていた。
「ねえ、カラ松」
「ん?」
「あのとき、どうしてカラ松自身で温めてくれたの?」
「布団がどこか分からなかったし、体温で温めるのがベストアンサーって、聞いたことあったしな」
「クスッ。びっくりしたけど、嬉しかった。起きたら隣にカラ松がいるんだもん。温かかったし」
「他になかったからな」
「しかも、両想いだったなんて、夢みたい」
「それは、俺もだぜ、マイラヴァー」
どちらからともなく口付ける。
パシャーパシャー
「「あ」」
「クスッ。キスシーン、ゲットー」
「「トド松!!」」
「ごめん、ごm」
「「あとでそれ、送って」」
「え。あ、うん」
台所でいちゃつく二人にトド松は、すっかり当てられてしまった。
「あーあ、からかうこともできないや」
○○たちは、これから始まる大どんでん返し劇など、知る由もなかった。